2006.05.29 Monday
(以下は転載、リンクOKです。エッセイは非戦を選ぶ演劇人の会の総意ではなく、実行委員個人の責任において書かれています)
「全体主義国家は経済的か?(10)
〜憲法9条は経済的か?(6)共謀罪/誰が何を裏切っているのか?〜」
知れば知るほど、酷い。審議が進めば進むほど、問題点が明らかになり、根本的な問題を突きつけられる。「もし、国民の代行者たる国会議員や、公僕たる行政(法務省、警察)が、国民に嘘をつき、国民の自由と権利を侵害し、自分達の保身と権力行使のために、新しい制度を作ろうとしていたら、私たち主権者は、何をするべきなのか?何が出来るのか?」
短期的にも、長期的にも、やめていただく以外にない、と私は思う。
公明党の漆原議員も、自民党の早川議員も稲田議員も、南野元法務大臣も、杉浦法務大臣も、国際組織犯罪防止条約を理由に、非常に大きな問題を不問にしている。様々な今までの与党、法務省の不可解な答弁では、「国際組織犯罪という越境性に限定したり、国際的な性質とは無関係な罪を除外することは、条約に抵触し、許されない。だから、国内犯罪も対象にする」といっている。国際的なテロを表向きの理由にしている条約なのだとしたら、これは、条約そのものがおかしいのではないだろうか?
また、これだけ広範な適用範囲を譲ろうとしない与党案も、根本的な欺瞞に満ちている。(修正案も、これ以上妥協は出来ないと野党を脅している再修正案も、この考えに基づいて作成されている。過去の法務委員会会議録は、以下参照)
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm
これについては勿論、野党は明確に反論しているし、条約絶対主義の嘘についてはマスコミなどでも取り上げられている。(国際刑事裁判所には、署名せず、人権に背を向け、治安=権力拡大ばかり、日本は選択)(各情報は、以下参照)
5/24時点での野党の与党案への課題(論点メモ)
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/da919a6c7882ad058d5827ccd8a67302
「国際協調 政府の建前 ⇒ 本音は国民対象の治安立法」2006/05/25 東京新聞特報
http://kyobo.syuriken.jp/image/tokyo060525b..jpeg
また、越境性に関しても、NGOが例えば、20年前、国際社会で孤立し、国交のなかったカンボジアで、市民はボランティア活動をしていたが当時の日本政府はそれを快く思っていなかった。こうした活動が阻害される危険性も除外されていないし、市民主導の外交のネックになりかねないと指摘している。(以下、参照)
http://www.janjan.jp/government/0604/0604210737/1.php
私は、もう一度、根本的な問題に立ち返って、この条約そのものも、疑うべきだと考えている。何故なら、テロとの戦いを喧伝したアメリカやイギリスの現状と、嘘の綻びから見える国家の悪逆非道ぶりの検証なくして、今後の世界、国民と国家権力の正しい関係は、見えてこないと考えるからだ。
石原委員長は、条約締結国の法律の現状を外務省に問い合わせたが、答えは、よく判らないだった。しかし、それは嘘だろうと私は思う。少なくとも、法務省の法案作成者は、アメリカやイギリスで施行された法律の下で、国民がどういう酷い目に合っているのかを知っていると思う。特にアメリカに関しては、令状なしの盗聴問題が、大きな批難を浴びている。共謀罪と共に法案に入れられている「サイバー取り締まり法」の、令状なしにメールの履歴をプロバイダに対して開示命令出来る、とする酷さに対して、アメリカの事例の検証は急務だろう。(以下、イギリスとアメリカの事例と、共謀罪先取りの日本のサウンドデモ弾圧の記事です)
http://asyura2.com/0601/senkyo22/msg/292.html
http://www.daiichi.gr.jp/syoukai/yanagi/2005autumn/iwahashi.html
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20060522/mng_____tokuho__000.shtml
勿論、アメリカでもイギリスでも、ブッシュ大統領やブレア首相の支持率は低下の一途である。イラク戦争やテロとの戦いをダシに、自分達が酷い目に合わされていることに気付いた国民が、反旗を翻しているからだ。
韓国では、通称「マッコリ法」と呼ばれた悪法があり、酒場で大統領の悪口を言った人が、翌日には逮捕されているということがあったそうだ。現在は、そんなことが出来ないように、法が改められたというが、改められるまでには、やはり、随分、時間がかかったらしい。(法が出来れば、それに反対する人々が逮捕され、その酷さが国民全体に伝わっても、法を支持する議員を選挙で落として、新しい法を作らせる、という手続きには、やはり相当の時間がかかるのだ。その間、どれだけの人が、苦しめられるか!)
自民党の平沢議員は、一貫して、この法案の推進者であるが、以前、週刊金曜日の取材に答えて次のように言っていたことが忘れられない。
「中国人犯罪者は「中国の取り調べは拷問から始まるが日本は黙秘権の告知から。刑務所では作業賃までくれる」と言っているという。勿論、日本と中国は国情が違うが、「人権」だけでは社会は守れない」
捜査のためには、ある種の強権が必要だという趣旨の発言だろうと思うが、拷問を容認すると受けとめられかねない発言を、拉致問題に関わっていた議員がされるとは!
また、平沢議員は、警察の裏金づくりが、共謀罪にあたるかとの質問を受け、警察は犯罪を目的とする組織ではないから、それには当たらないと答えている。共謀罪の問題を指摘する日弁連に対しては、学生運動のようなとんちんかんな組織だ、ともおっしゃっている。(以下、日弁連のサイトです。法務省のHPの記載や、与党再修正案に対するコメントがあります)
http://www.nichibenren.or.jp/ja/special_theme/complicity.html
「全体主義国家は経済的か?(9)〜憲法9条は経済的か?(5)悪いのはお金?人間?〜」で、日本でのカジノの合法化について書いたが、アメリカの議会を揺るがしている最悪の汚職事件も、どうもカジノの許認可がらみの事件らしい。(しかも、このエイブラモフ事件は、9.11同時多発テロ事件と人脈が交差しているらしい)
http://blog.goo.ne.jp/newsbistro/d/20060405
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2006/05/post_f827.html
日本の「カジノ・エンターテイメント検討小委員会」には、平沢議員も委員として参加されている。これは単なる偶然なのだろうか?
http://blogs.yahoo.co.jp/blognews2005/26956634.html?p=1&pm=c
与党の議員は、いまだ、強行採決を諦めてはいない。「審議は尽くした!我々の法案を問題視するデマを信じるな!野党がだだをこねてるだけだ!これ以上の話し合いは無理だ!」と、きっと声高に言うのだろう。
しかし、「まばたき」で共謀罪が成立すると明言するような法務省の答弁があって尚、与党案を支持する国民はいないだろう。
http://peaceonkao.exblog.jp/3457256
(以下の審議中継で、開会日:平成18年5月16日、会議名:法務委員会で検索すると、その時の映像が見られます)
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.cfm
共謀罪や令状なしの捜査や密告制度は、よっぽどの凶悪犯罪以外必要ないし、よっぽどの凶悪犯罪であっても、最低限の人権は守られる必要があることを、グアンタナモやアブグレイブの拷問の事例を見据えながら、私たちは、私たち自身の未来のために、今後も、考え、訴え、共有化していくべきだろう。
くまがいマキ
PS. 共謀罪に多少関連すると思われる「探偵業法案」が5/19に提出され、25日に衆院本会議で可決されました。報道調査の点で、問題あり!の法案です。(日本雑誌協会が緊急声明を出しています)
http://ch.kitaguni.tv/u/1023/%BB%FE%BB%F6%A1%F5%BC%D2%B2%F1%CC%E4%C2%EA/0000356469.html
教育基本法改悪や、国民投票法案、医療改悪、ICパスポート、牛肉輸入再開、米軍再編などなど、問題目白押しです。順次、書きたいと思ってます。
「全体主義国家は経済的か?(10)
〜憲法9条は経済的か?(6)共謀罪/誰が何を裏切っているのか?〜」
知れば知るほど、酷い。審議が進めば進むほど、問題点が明らかになり、根本的な問題を突きつけられる。「もし、国民の代行者たる国会議員や、公僕たる行政(法務省、警察)が、国民に嘘をつき、国民の自由と権利を侵害し、自分達の保身と権力行使のために、新しい制度を作ろうとしていたら、私たち主権者は、何をするべきなのか?何が出来るのか?」
短期的にも、長期的にも、やめていただく以外にない、と私は思う。
公明党の漆原議員も、自民党の早川議員も稲田議員も、南野元法務大臣も、杉浦法務大臣も、国際組織犯罪防止条約を理由に、非常に大きな問題を不問にしている。様々な今までの与党、法務省の不可解な答弁では、「国際組織犯罪という越境性に限定したり、国際的な性質とは無関係な罪を除外することは、条約に抵触し、許されない。だから、国内犯罪も対象にする」といっている。国際的なテロを表向きの理由にしている条約なのだとしたら、これは、条約そのものがおかしいのではないだろうか?
また、これだけ広範な適用範囲を譲ろうとしない与党案も、根本的な欺瞞に満ちている。(修正案も、これ以上妥協は出来ないと野党を脅している再修正案も、この考えに基づいて作成されている。過去の法務委員会会議録は、以下参照)
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm
これについては勿論、野党は明確に反論しているし、条約絶対主義の嘘についてはマスコミなどでも取り上げられている。(国際刑事裁判所には、署名せず、人権に背を向け、治安=権力拡大ばかり、日本は選択)(各情報は、以下参照)
5/24時点での野党の与党案への課題(論点メモ)
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/da919a6c7882ad058d5827ccd8a67302
「国際協調 政府の建前 ⇒ 本音は国民対象の治安立法」2006/05/25 東京新聞特報
http://kyobo.syuriken.jp/image/tokyo060525b..jpeg
また、越境性に関しても、NGOが例えば、20年前、国際社会で孤立し、国交のなかったカンボジアで、市民はボランティア活動をしていたが当時の日本政府はそれを快く思っていなかった。こうした活動が阻害される危険性も除外されていないし、市民主導の外交のネックになりかねないと指摘している。(以下、参照)
http://www.janjan.jp/government/0604/0604210737/1.php
私は、もう一度、根本的な問題に立ち返って、この条約そのものも、疑うべきだと考えている。何故なら、テロとの戦いを喧伝したアメリカやイギリスの現状と、嘘の綻びから見える国家の悪逆非道ぶりの検証なくして、今後の世界、国民と国家権力の正しい関係は、見えてこないと考えるからだ。
石原委員長は、条約締結国の法律の現状を外務省に問い合わせたが、答えは、よく判らないだった。しかし、それは嘘だろうと私は思う。少なくとも、法務省の法案作成者は、アメリカやイギリスで施行された法律の下で、国民がどういう酷い目に合っているのかを知っていると思う。特にアメリカに関しては、令状なしの盗聴問題が、大きな批難を浴びている。共謀罪と共に法案に入れられている「サイバー取り締まり法」の、令状なしにメールの履歴をプロバイダに対して開示命令出来る、とする酷さに対して、アメリカの事例の検証は急務だろう。(以下、イギリスとアメリカの事例と、共謀罪先取りの日本のサウンドデモ弾圧の記事です)
http://asyura2.com/0601/senkyo22/msg/292.html
http://www.daiichi.gr.jp/syoukai/yanagi/2005autumn/iwahashi.html
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20060522/mng_____tokuho__000.shtml
勿論、アメリカでもイギリスでも、ブッシュ大統領やブレア首相の支持率は低下の一途である。イラク戦争やテロとの戦いをダシに、自分達が酷い目に合わされていることに気付いた国民が、反旗を翻しているからだ。
韓国では、通称「マッコリ法」と呼ばれた悪法があり、酒場で大統領の悪口を言った人が、翌日には逮捕されているということがあったそうだ。現在は、そんなことが出来ないように、法が改められたというが、改められるまでには、やはり、随分、時間がかかったらしい。(法が出来れば、それに反対する人々が逮捕され、その酷さが国民全体に伝わっても、法を支持する議員を選挙で落として、新しい法を作らせる、という手続きには、やはり相当の時間がかかるのだ。その間、どれだけの人が、苦しめられるか!)
自民党の平沢議員は、一貫して、この法案の推進者であるが、以前、週刊金曜日の取材に答えて次のように言っていたことが忘れられない。
「中国人犯罪者は「中国の取り調べは拷問から始まるが日本は黙秘権の告知から。刑務所では作業賃までくれる」と言っているという。勿論、日本と中国は国情が違うが、「人権」だけでは社会は守れない」
捜査のためには、ある種の強権が必要だという趣旨の発言だろうと思うが、拷問を容認すると受けとめられかねない発言を、拉致問題に関わっていた議員がされるとは!
また、平沢議員は、警察の裏金づくりが、共謀罪にあたるかとの質問を受け、警察は犯罪を目的とする組織ではないから、それには当たらないと答えている。共謀罪の問題を指摘する日弁連に対しては、学生運動のようなとんちんかんな組織だ、ともおっしゃっている。(以下、日弁連のサイトです。法務省のHPの記載や、与党再修正案に対するコメントがあります)
http://www.nichibenren.or.jp/ja/special_theme/complicity.html
「全体主義国家は経済的か?(9)〜憲法9条は経済的か?(5)悪いのはお金?人間?〜」で、日本でのカジノの合法化について書いたが、アメリカの議会を揺るがしている最悪の汚職事件も、どうもカジノの許認可がらみの事件らしい。(しかも、このエイブラモフ事件は、9.11同時多発テロ事件と人脈が交差しているらしい)
http://blog.goo.ne.jp/newsbistro/d/20060405
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2006/05/post_f827.html
日本の「カジノ・エンターテイメント検討小委員会」には、平沢議員も委員として参加されている。これは単なる偶然なのだろうか?
http://blogs.yahoo.co.jp/blognews2005/26956634.html?p=1&pm=c
与党の議員は、いまだ、強行採決を諦めてはいない。「審議は尽くした!我々の法案を問題視するデマを信じるな!野党がだだをこねてるだけだ!これ以上の話し合いは無理だ!」と、きっと声高に言うのだろう。
しかし、「まばたき」で共謀罪が成立すると明言するような法務省の答弁があって尚、与党案を支持する国民はいないだろう。
http://peaceonkao.exblog.jp/3457256
(以下の審議中継で、開会日:平成18年5月16日、会議名:法務委員会で検索すると、その時の映像が見られます)
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.cfm
共謀罪や令状なしの捜査や密告制度は、よっぽどの凶悪犯罪以外必要ないし、よっぽどの凶悪犯罪であっても、最低限の人権は守られる必要があることを、グアンタナモやアブグレイブの拷問の事例を見据えながら、私たちは、私たち自身の未来のために、今後も、考え、訴え、共有化していくべきだろう。
くまがいマキ
PS. 共謀罪に多少関連すると思われる「探偵業法案」が5/19に提出され、25日に衆院本会議で可決されました。報道調査の点で、問題あり!の法案です。(日本雑誌協会が緊急声明を出しています)
http://ch.kitaguni.tv/u/1023/%BB%FE%BB%F6%A1%F5%BC%D2%B2%F1%CC%E4%C2%EA/0000356469.html
教育基本法改悪や、国民投票法案、医療改悪、ICパスポート、牛肉輸入再開、米軍再編などなど、問題目白押しです。順次、書きたいと思ってます。